東日本大震災の復興が遅れている原因の一つ
今日は震災についてテレビで流さない‥いや、ネットでも流れていないことを書いてみたいと思います。
関西人には特に忘れられない1995年1月17日の阪神・淡路大震災が起きたとき私は大阪にいたので復興状況は自分の目で確認しました。
復興のスピードは思いのほか速く、1年8カ月後には阪神高速道路が全線復旧し、2年4カ月後には港湾施設も完全復旧して、街並みもどんどん復旧していきました。
特に崩れ落ちた鉄道の高架橋をジャッキアップで復旧するという前代未聞の工事はプロジェクトXで放送されたから知っている人も多いと思います。
それから16年が経過した2011年3月11日に東日本大震災が起きました。
そこでテレビなどでよく言われるのが
『阪神・淡路大震災では3年で復旧を終えたのに東日本大震災では未だに復旧が終わらない所為で避難生活を強いられて、仮設住宅の入居者がいる。阪神・淡路では、4年半で仮設住宅の入居者はいなくなったのにどういうことだ!』
この意見に対して識者は
『阪神・淡路大震災とは災害の規模も範囲も地域性も異なるので復興のスピードを単純比較しても仕方ない』
または
『津波や東京電力福島第1原発事故の影響で戻ることが出来ず仮設住宅に住まざるおえない』
という意見が一般的だと思う。
確かに識者の意見は勿論正しい。
しかし、これでは少し足らない。
私が考える違いは大きく分けて以下の4つの事項があると思う。
①阪神・淡路大震災と東日本大震災の大きな違いは東日本大震災では津波による被害が大きかったということ。
②阪神・淡路大震災では壊れたものを一から立て直すことで復興を進めることが出来るが、東日本大震災では壊れた建物を全て撤去してその土地を全体的に15m嵩上げしなければいけない。
③嵩上げしたことにより道路は勿論、河川の増幅や橋の建替えだけに留まらず、水道・ガス・電気などのインフラ整備を同時に進める必要がある。
④嵩上げするためには土地の所有者の許可が必要である。
ここで注目して欲しいのは④でこれを問題に上げる識者を私は見たことがありません。
私が書きたかったことは正にこの④のことで、これには表に出てこない事情が隠されています。
では直接、当事者から聞いた情報を元に解説してみます。
津波の被災あった箇所で田舎の土地は1区画の土地に何人、多いときは何十人もの土地所有者がいることがあり、土地の嵩上げ、つまり盛土をするのに所有者の許可を取らないといけない。
もし、一人でも反対すれば工事が出来ないということです。
更に事を難しくしているのは所有者が何処か遠くに引越していたり、亡くなっていた場合は最悪工事を諦めなければいけません。
こういった交渉に時間や労力ばかりが掛り、一向に工事が進まないのです。
更に、これは一切テレビやネットでは言われていませんが土地所有者の嫌がらせです。
本来、自分に関わることなので復興に協力的な現地の人が殆どなのですが、中には変な人がいて工事をするうえで色々とお願いするので低姿勢で接すると自分が偉くなった気分になって横柄になり、無理難題を言って話が通らないと出入り禁止と言い出して工事の妨害をする者。
仮設住宅に移動するのを拒んだり、お金を請求してくる者。
面倒な人達ではあるが被災者でもあるのでテレビやネットでは言いにくいかもしれませんね。
しかし、このような復興に足を引っ張る人達がいる事も復興が遅れている一つの要因として知っておくべきだと思います。